昨年は泣く泣く観劇を断念した「タイラーV」の舞台。
その悔しい想いをようやく一年越しに、
今年の「タイラーF」で晴らせた気がします。

永野希さん演じるタイラーことジャスティ・ウエキ・タイラーは
吉岡 平原作の「宇宙無責任艦長タイラー」の主人公。
元ネタは植木等さんの映画「無責任男シリーズ」の主人公が
もしスタートレックの艦長だったら…という構想のもとに
爆誕したスペースオペラです。
原作は1989年より富士見ファンタジア文庫よりシリーズ化して発売、
ラノベ時代の幕開けとして上坂一の「スレイヤーズ!」と並んで
棚にあったのをよく覚えています。

1993年にはテレビアニメ化にもなっている。
しかし…なんたることか。
ワタクシのこれまで歩んできたヲタク人生の中でタイラーシリーズは
未視聴、未読のまま。。。今日まできてしまったのです。
子供の頃に映画「無責任男シリーズ」を見た記憶はあります。
モーレツ時代の日本社会の中でイキオイと調子の良さだけで
ひょうひょうと生きてるサラリーマン姿の植木等さんと
吉岡平原作版のタイラーを知らないで、いきなり永野希さんを
イメージするには自分の脳では限界がありました(苦笑)
植木等=====永野希
     ↑本来はこの間にタイラーが入る

昨年公開されたタイラーVがあるのでビジュアルとしての
「タイラー永野希」というイメージは定着してはいたものの、
かえってビジュアルだけみると
ジャニーズのようなイケメンのんちゃんが植木等~!?と
心中の混乱っぷりは加速度を増してましたw

そしてようやく
舞台に立つタイラー役の永野希さんを見ることができました。
ああ、ナルホドー!
当り前ですがそこには植木等ジャナイ永野希さんが居りました。
「気楽にいこうよ!」
もはやキメ台詞にもなったタイラー役の永野希さんが発する
舞台上での生の言葉はすべてを包み込むような温かさがありました。

舞台設定では現在は現役軍人を退いて、田舎にて人知れず隠遁生活を
のんびりと楽しんでいるタイラー。
リラックスモードというかスローライフ的なタイラーを見ていると
確かに永野希さんがこれまで演じてこられたキャラクターとは
一線を画すものがあったように感じました。
のんちゃんの実にいい感じに肩の力が抜けている(ような?)演技は
観ているコチラ側をもリラックスさせてくれる効果があったと思うし、
コイツに任せておけばすべて大丈夫だと感じさせる魅力がありました。

これまでも永野さんが演じてこられた役の数々はまさに一役入魂。
そのどれもが愛すべきキャラクターには違いないのだけれど
このタイラーという役を演じられるようになってからの1年間。
普段の永野希さんの生活、タレント活動においても
良い影響があったように思っております。

のんちゃんは生真面目で完璧主義なところがある反面、
ミョーに打たれ弱い側面があったりします。
本人曰く「絶望体質」だなんて言っておりますが…
かくいう私も彼女自身の持つ「絶望体質」の見極めが甘くてね~
これまでに何度も地雷を踏んでしまっては
怒らせたり落ちこませてしまったりしたことがあります。
しかしこれだけは言いたい、というか信じてもらいたいです。
これまで決して私は永野希さんを貶めようと
意図したことも画策したことはありません。
でもSNSというものは時として残酷なものなのよね…orz

コロナ禍で心も疲弊していく日々の中においてのんちゃんが
楽しむことを忘れずにいてくれてることはタイラーを演じ、
その生き方に触れることがプラスに働いていると考えます。
いい役に出会えてホントに良かったなぁ~と舞台に立つ、
のんちゃんを観ていてしみじみしてしまいました。

また、座長・永野希としての活躍も進化してたように思いました。
出演者の皆さんをフォローしたりされたりと座組の雰囲気が
好さげなのがSNSを通じて伝わってきました。
出演者の方々がのんちゃんを褒めたりしてくれるのは
ファンとしてもすごく嬉しかったなぁ。

脚本は吉岡平さんの書き下ろし(新作!)でした。
戦争を終結させた大英雄・タイラーを映画化させるにあたって
巻き起こるドタバタコメディSFなミュージカル!と要素盛沢山。
一見フクザツそうに聞こえる劇中劇スタイルをとっておりますが
そこは分りやすさには定評のある朝倉薫劇団。
原作ノーチェックな私でしたが役者陣のハマり具合もあいまって
大変に観劇が楽しかったタイラーFでありました。
配信やDVD販売されないのがもったいなさすぎます。
けど朝倉さんの舞台哲学(美学)というのかしら、
生の舞台でこそ存在する美意識を大切にしたいという気持ちもわかる。
そういう意味でも「タイラーF」を観劇できて良かったと思う。