1969年
 
OP「行け!タイガーマスク」
作詞:木谷梨男
作曲:菊池俊輔
歌:新田洋、スクールメイツ
 

 
ストーリー
日本のプロレスリング界に、初の日本人悪役レスラーが登場した。アメリカで〝黄色い悪魔〟と呼ばれ、恐れられていたタイガーマスクだ。冷酷な反則ファイトでリング狭しと暴れまくる、日本人初の覆面レスラーのタイガーマスクには、他人に話せない秘密があった。

タイガーマスクこと伊達直人は、孤児院で育ち、悪役レスラー養成機関である〝虎の穴〟で徹底した悪役レスラーとしての教育を受けたのだ。

だが、かつて自分が育った孤児院が多額の借金に苦しんでいるのを知った伊達直人は、経営者の、幼なじみのルリ子のために、そして、無敵のレスラー、タイガーマスクに憧れる健太たちみなし子ハウスの子供たちのために、自分がタイガーマスクであるということを隠したまま、自分のファイトマネーで借金返済を申し出る。
 
そのため、〝虎の穴〟への上納金が用意できなくなったタイガーマスクは、自分に憧れるちびっこハウスの子供たちのためにも…と、組織を裏切り、虎の穴の掟である悪役レスラーの肩書きも捨ててしまう。
 
裏切り者を抹殺するために、〝虎の穴〟出身のレスラーたちが、次々とタイガーマスクに襲いかかる!負けるなタイガー! 炸裂するかタイガーバックブリーカー!! 壮絶な戦いの火蓋は切って落とされた。
(TOEI ANIMATION作品解説より)
 
作品解説
梶原一騎の代表作。アニメ版は、漫画版の連載とほぼ同時進行で放送されていたが、中盤で、アニメの進行が漫画連載に追いついてしまったため、徐々にオリジナルストーリーが目立つようになっていき、終盤では一部原作の要素は取り入れているものの、全く別の展開となった。

原作と最も大きく異なっているのが最終回である。アニメ版の最終回は、「虎の穴」のボスがマスクを被った最強最後の悪役レスラー「タイガー・ザ・グレート」との決戦で幕を閉じる。
 
タイガーは、最初はいつものように反則技に耐えてクリーンな試合をするが、グレートは殺意剥き出しで凶悪な反則技を連発。そして、タイガーは、グレートの顔面への凶器攻撃を間一髪で避けるが、マスクが完全に脱げてしまい、正体が伊達直人であることが白日の下に晒されてしまう。涙を流しながら高々と笑うタイガー=伊達直人は、グレートに対し、「虎の穴からもらったものをたたき返してやる。それで俺は伊達直人に返るのだ」と宣言。グレートを上回る容赦ない反則攻撃を繰り出し、ついにはジャイアント馬場、アントニオ猪木の制止すら無視して、グレートに止めを刺してしまう。だが、試合後冷静になり、リングにおける自らの行いを恥じた伊達直人が、飛行機で国外へ旅立つところで終わる。
(漫画原作では)
大阪での再戦当日(世界タイトルマッチ)、車にひかれそうになった子供をかばって死亡する。最後の力を振り絞って虎の覆面を近くの川へ投げ捨てたため、伊達直人の事故死とタイガーマスクの失踪はむすびつけて考えられることはなかった。

製作エピソード
本作は日本のテレビアニメで初めて、原画からセル画へ絵を転写するトレースマシンを導入した作品である。このため線の多い劇画をアニメ化することに成功した。
最終回は(当時の)通常の3倍の作画枚数が費やされたという。制作サイドは後半部がかなりオリジナルストーリーになっていた上に、原作とはかけ離れた、かなり大胆な結末にしたことで、原作者である梶原一騎の反応を非常に気にしていたが、梶原一騎はこのアニメ版の最終回を非常に気に入り、「こういう最終回が書きたかった」と語ったという。
(ウィキペディアより)
 
屈指の名作であります。
子供の頃は再放送で見てました。正直なところ、細かいエピソードは殆ど覚えておりません。私はタイガーというより敵役のおどろおどろしいレスラー達に魅了されていました。ソフビ人形をいくつか持っていたっけな。
そんな「タイガーマスク」が昨年から関東圏の放送局で再放送をしておりまして、毎回、興味深く視聴しております。
 
タイガーマスクが何故、虎の穴を敵にまわすことになったのかとか、刺客レスラーの中にもかつての仲間がいて、その仲間から「これ以上、犠牲者を増やさないでくれ」(タイガー抹殺に失敗すれば死!それが虎の穴の掟)と嘆願され、自殺を考えるタイガーの姿など実に深いドラマ展開などのあって改めて本作に魅了されているこの頃です。
 
試合シーンなど血しぶき飛ぶ描写などあり、イマドキの親からはNGをくらうかもしれませんが、強さとは何か、生きる事とはどういうことか、そういったことを考えるきっかけにあふれた作品だと思います。
そういえば震災後に施設などに無償で物資を送ったりするなどの善意の行動を行った人たちが「タイガーマスク」「伊達直人」などと名乗って話題になってましたね。
 
↓「黄色い悪魔・タイガーマスク・伊達直人が正義に目覚めた瞬間」という動画です。ED「みなし児のバラード」
作詞:木谷梨男
作曲:菊池俊輔
歌:新田洋、スクールメイツ