昨日は午後から都内に出ました。
10月最後の土曜日。
都内では年々ハロウィンの盛り上がりがスゴイらしく、特にコスプレする人たちが多いという話を聞いていましたけど、自分が滞在した時間帯(12:30-18:00くらい)では単体でちらっと見かける程度でした。
ま、池袋→吉祥寺→銀座という順路でしたのでエンカウント率が低かったかなw 夕方から夜の池袋、渋谷あたりは凄かったみたいですね~

さて、池袋でモモーイのCDをゲットした後は早々に吉祥寺の児童書専門店「トムズボックス」へ移動。
吉祥寺のPARCOで「牙狼GARO展」をやっていたので寄り道。雨宮慶太作品は世界観からガッチリ作りこんでいるので私の好きな作家のひとりなのです。

イメージ 2
イメージ 3

ちょいとブレイクを挟んでいよいよ「トムズボックス」へ。
20数年ぶりですので少し緊張してしまいました。

イメージ 1
扉を入るとテナントビルの1Fすべてが「トムズボックス」になっていてビックリしました。だってお店のオープン時はこの1Fフロアの1/8程度の坪数しかお店のスペースはなかったんだもの(苦笑)。この本屋も年内で閉店が決まっておりますが、他のテナントは早々に立ち退いたのでしょう。今年も残り2ヶ月ですが空スペースを有効活用するべく「トムズボックス」が拡張して営業している様子でした。

店の奥からは店主兼私の専門学校時代の編集の授業の先生だった土井氏の声が聞こえてましたが、来客中のようだったので私は店内の展示物や絵本などに目を通していました。
こちらの本屋は児童書を取扱っているのですが、土井氏自身が気に入った本をメインに置いてあるので普通の本屋に置いてあるラインナップとは一味異なっております。ビレッジヴァンガードの児童書版といったところでしょうか。カオスぶりがクセになること請け合いです。
意外にも、と言っては怒られてしまいそうですけど店内はそこそこ賑わっておりました。昔はマジで閑古鳥が鳴いていた状態でスグに潰れてしまうんじゃないか?と思ったましたけどね~
それにしても…改めて品揃えの選定眼の良さに「ウンウン」とうなずかされっぱなしの私でした。個人書店だとこだわりの棚づくりができるから羨ましい。つい、私の昔の本屋(児童書担当)アルバイト時代の血が騒いでしまいますw

そうこうしているうちに来客との接客が終わった土井氏がふいに奥の部屋からぬるりと出てきて私と鉢合わせに。。事前にメールで訪問の連絡を入れてあったので挨拶すると「おお!久しぶり~!一瞬、誰かと思ったけど声で解ったw 」と土井氏。
ふーむ、やっぱり声って声紋認証があるくらいだから変化しないもんなのかしら?と思ったり。
その後、レジ脇でお客さんの接客の合間をぬって、あれから話と近況報告など交わしたりしたな。せっかく久しぶりに来た「トムズボックス」閉店は残念だけど、土井氏の今後の計画に「児童書に特化した古本屋」を計画中という話を聞けたのでちょっと安心しました。
ただ、私がこの夏に感銘を受けた池袋LIBROの児童書専門店の話をしたところ、「その書店なら先日、閉店してしまったよ」という土井氏の話にはショックでしたけどね。大人向けの出版業務でもキビシイこの時代。子供向けの本を取り巻く環境はさらにキビシイのだと痛感させられひたすら唇を噛む思いなのですよ、私は…

帰り際に絵本1冊と個人誌(武蔵野美術大学の現・学生さんが製作したイラスト本)1冊を買ってしばしのお別れ。なまじアノ本屋に置いてある本の希少さがわかる分(絶版本の宝庫やん)、長居すると財布の紐がゆるくなってしまうからねw もっと近所だったら自分家の書斎のつもりで毎日のようにでも通いたいです。

吉祥寺から銀座へ移動。イラストレーター味戸ケイコさん。この方とも私が専門学校時代に個展を拝見した以来なので20数年ぶりの再会。と言っても活躍中のイラストレーターといちファンの身なので覚えていらっしゃらないだろうと思ってました…が。

イメージ 4
イメージ 5





だいぶ陽が傾きはじめた午後16:00頃に銀座のスパンアートギャラリーに到着。
会場には数人のお客さんがいらしてて、その中に味戸先生もお客さんと談笑しながらいらっしゃいました。高鳴る胸を押さえつつ、軽く会釈を交わした後、作品を鑑賞しながら画廊内をまわりました。

味戸さんはアンパンマンの産みの親である、やなせたかしさんが編集をされておられた「詩とメルヘン」(現在は詩とファンタジーと名前を変えて発売されているそうです)という雑誌でよく掲載されておられたイラストレーターです。主に少女をモチーフに白と黒のコントラストが幻想的な鉛筆画の作品を発表されていて、私は味戸さんの作品にすっかり魅了されてしまいましたね。高校の時にはじめて味戸さんの個展に行ったりもしました。当時、進路のことで悩んでいた私は初めてお会いした憧れの味戸先生とお話することで美術の道に進むことへの決心がついたりもしました。

専門学校卒業後、モロに就職難のあおりを受けて地元の本屋で3年ほどアルバイト。その頃までは味戸先生の個展には行ってたと思います(DMも届いてたし)
ただ、その後に自分を取り巻く環境が一変し、夢を捨てざるおえない状況になった。
それから何年?十数年ほどは児童書コーナーはおろか、本屋さえ立ち寄らないようにしていた時期があったし、引越しも2度ほどあって個展のDMも届かなくなった。

ま、そんなこんなですっかりご無沙汰になってしまったけど、不思議な縁あって今回の個展開催を知ることができたわけで…表面上はすました感じの自分でしたが、内心はもう高校生の時の自分と同じくらいドキドキしておりました。
一応、自分の事をお話する中で話のタネになればとこの日、カバンの中に初めて味戸さんの個展に行った時にサインして頂いた本と個展のBGMが収録されたカセットテープを忍ばせてなんかいたりして準備万端?

味戸先生と談笑していたお客さまが本にサインを入れてもらってるのを拝見して、自分も今日という日の記念に何かサインをしてもらおうかと思い、ギャラリー奥のカウンターで絵本を1冊購入。サインを入れてもらいたいので袋には入れなくていいです…とスタッフの方に言うと「お名前カード」に記入をしお待ちくださいというのでカードに名前を書き、本来ならそのままスタッフさんにお願いするところ、私が自分で交渉(サイン入れの)しますので大丈夫ですと本とカードを持って味戸先生の元へ。。。

味戸先生に近づいていくと先生の第一声が「お久しぶりです~お元気でしたか?」と私に言うので思わず「え!?」と素で返してしまいました。
いや、自分は20年以上もお会いしてないし人違いされているのではと思い、「久しぶりには違いないですけど…20年以上も前の事ですし」とややいぶかしんで返答しますと、私の名前に見覚えがあるとのこと。先生はいち早く、私の手にしている「お名前カード」が目に入ってピンときたらしいのです。
え?ええーー!!??と私の方がぷちパニック状態ですよ。
嬉しいですけど、な、なんで覚えているんですか~あわわ~といった感じになりましたよ。
なんでも20数年前の私、味戸先生に手作りの絵本をプレゼントしていたそうなんですよ~って全く本人に記憶がナイ!(滝汗)
味戸先生の話から絵本の内容を聞きつつも思いだせない…思いだせないがそんな事しでかす奴は自分しか居ないというヘンな自信はありました。
こうして記事を書いているうちにようやく薄っすらながら断片的に記憶が蘇ってきたけど…自分の事ながらなんつー事しちゃてんのかしら(爆)恥ずかしすぎます。でも、確かに当時は怖いもんナシなところがあったし、想いをカタチに表現することに貪欲というでしたからね。
思えば最近も似たような事してるしwww

当時、味戸先生はイラストのお仕事が忙しくって絵本のお礼が言えなかったことをずっと心残りにしておられたそうなんですよね。まさか、そんな風に思ってもらえていたとは…上手く言葉にできないけど…深い感激の想いが私の全身をめぐりましたよ。
その後もいろいろお話させていただき、ギャラリーをでる頃には空もすっかり真っ暗でしたね。銀座なんでネオンは華やかでしたけど。味戸先生も来年はギャラリーMAYAの方で個展開催も決まってるそうで(20数年前に私はそちらのギャラリーには行ってます)まだまだ制作意欲は衰えてないご様子。

土井氏と味戸先生。
この日、20数年ぶりの再会をWで果たして…
おふたりとも変わらない、変らないんだけどまだまだチャレンジ精神はあってね。
自分も何をがんばる!かは、まだ見えてこないところもあるけど
次にお会いする時にはもっとがんばっている自分を見せたい、そんな事を思ったのでした。