先日図書館から借りてきた垣谷美雨さんの
「うちの父が運転をやめません」(2020年2月)が
期待を裏切らない面白さで良かった。

垣谷さんの小説は社会派作品と呼ばれるほどに
ニュース等で話題になった題材をモチーフにされていることが多い。

これまでも
少子化対策問題から「結婚相手は抽選で」
高齢化社会から「七十歳死亡法案、可決」
大災害後の避難所暮らしを描いた「避難所」
自給自足問題を考える「農ガール、農ライフ」
定年後の夫婦離婚問題から「定年オヤジ改造計画」
などなどありまして本当にどの小説もよく出来ています。

今回は高齢者の運転免許証返納問題を考える内容でした。
1年前の今頃の私も「母が運転をやめない」問題で悩んでいたので
本のタイトルを見ただけでも読むのが楽しみになりましたw

垣谷さんの小説はつい右から左へと流れがちな
本来じっくり考えるべきニュースを、物語を通してより身近に
想像できる(仮想体験)から好きですね。

綿密な取材、独自の視点、物語に落としこむ構成力と文筆力と
申し分ない。
さらに家族とは何か、人と社会とのつながりとは何かといったことを
考えさせられつつも温かい読後感がある。
こういった方の作品を若い方たちに読んでもらいたいなぁ~と思うよ。