先週の9/20に練馬区立美術館へ行ってきました。
ココって昨年、我が心の師匠と勝手に崇めている牧野邦夫さんの展覧会をやった所でした。昨年に出会ったOpen my mind に連なる出来事だったので運命的なものを感じたり。今回は同僚のSクンと同行。美術館→アキバ散策→居酒屋バッタもんの予定。

私は「あしたのジョー」という作品は好きで漫画、アニメ(劇場版)はもちろん、研究本なんてものにも目を通したりしてます。カラオケも一応、ジョー関連はすべて歌えます。
ただ、世間でのジョー・ブームよりやや後の世代なのでブーム黄金時代の事は資料で知った知識としてしか知りません。リアルタイムといえばTV版の「あしたのジョー2」ですかな。本作は美術的な見地からも映像が美しく、私がはじめてアニメーション監督というものを意識したのも2でした。
出崎統。「エースをねらえ」「ガンバの冒険」「宝島」でしられるアニメーション監督ですね。監督話をすると脱線するので別の機会に。ちなみに現在のブログではつけてないけど以前に開設していた私のブログで「あしたのジョー2」は20世紀のアニメ作品私のお気に入りTOP5にランキング入りしてましたw
さて、今回の展覧会。面白いのは「あしたのジョー展」ではなく、「あしたのジョー、の時代展」というところです。チケット売場で頂いたチラシの裏の紹介文を以下抜粋。
「あしたのジョー」は、高森朝雄(梶原一騎の別名義)原作、ちばてつやの作画で 1967年暮れから 1973 年まで『週刊少年マガジン』に連載されたボクシング漫画です。連載当初から人気を博し、アニメ化、実写映画化が行われ、連載終了から 40 年が経過した今なお、新たなファンを獲得し続けています。
主人公「ジョー」こと矢吹丈は、打たれても打たれても決して相手に屈せず、血反吐にまみれながら強敵に立ち向かいました。その姿は、大人が作り上げた社会体制の矛盾に対し異議申し立てを行った同時代の青年の共感を呼びます。
「我々は明日のジョーである」と声明を出し、日本航空「よど号」をハイジャックした赤軍派。ジョーのライバル力石徹の劇中での死に、現実に告別式を執り行った寺山修司たち。本作は様々な事件や人々と結びついて社会現象を呼び起こし、一フィクションをこえ、時代のシンボルとして多くの人々の心に受けいれられていきました。
本展では「あしたのジョー」の作品世界を、ちばてつやによる百点以上におよぶ魅力的な原画の数々によって構成し、アニメやレコードなど同時代の関連資料から本作のひろがりを紹介します。
また、ボクシングをこよなく愛し「あしたのジョー」に深く関わった寺山修司、自らの肉体と格闘し暗黒舞踏を立ち上げた土方巽、既成の芸術に反し己の肉体によるパフォーマンスをおこなった秋山祐徳太子ら、ジョーと同じ時代の空気を共有した芸術家たちの活動をたどり、「あしたのジョー」をキーワードにこの時代を振り返ります。
そんな訳でこの展覧会は単に原画を見て終わりというものではなく、心開けばちょっとしたタイムスリップが楽しめる展覧会、といった遊びゴコロのあるイベントでした。
ざっと振り返って面白かった点は先ず、主題歌の「あしたのジョー」が複数のレコード会社からリリースされていたこと。発売日にして大手4、5社から発売され最終的にはパチモンっぽい(笑)ものも含めて10社以上から発売。こんなことって現在の販売協定?では考えられないことですものね。
「あしたのジョー」のグッズ商品化。ソフビ人形からアルマイトの弁当箱や上履き入れ、習字カバンなど懐かしい。万博のマークが付いた箱に入った運動靴もあった。
当時にTVで流れていたCM集がお宝満載でした。レナウンのCMやあの、モーレツぅ~ってやつww
力石徹の告別式での祭壇の再現とか凄かったなぁ。当時の告別式のチラシや式進行の様子のパネル、新聞記事などありました。
最近でもアニメファンがキャラの誕生日などお祝いしたりしてますが、キャラのお葬式を本格的にイベントとして成立させたのは後にも先にも力石だけじゃないのかな。あれ?ジョーは?と思われた方はあのラストシーンはジョーの死と捉えておられる方でしょうか。あのラストシーンは原作の中では生死については言及されてないんですよね。原作者もこの点については視聴者に任せているとのこと。私も20代の頃までは宮沢賢治の「よだかの星」などに見られる自己犠牲や滅びの中の美などに傾倒していたので、あのラストシーンについてはイコール、ジョーの死だと考えていましたが、最近は少し考えが変わってきましたよ。死では残された者、特に段平おっちゃんが不憫すぎる。
もともと、あのラストシーンは原作(梶原版)では異なっていたそうです。
[ホセに敗れ]うなだれたジョーに、段平が言っていた。『お前は試合には負けたが、ケンカには勝ったんだ』。/ジョーが、白木邸で葉子と一緒にぼんやりとひなたぼっこをしている。彼が廃人になってしまっいたかどうかは定かではない。葉子は微笑んでいる。二人とも幸せそうだ…。
(「梶原一騎伝」より)
このシナリオを不服としたちばさんは梶原さんにラストを変えると連絡し、梶原さんもちばさんに任せたと答えたという。ちばさんはその後、スタッフと検討し、ある編集者のひとりがジョーが過去に「燃えつき」云々について語っていた場面を発見し、この場面を活かす方向であのラストシーンが生まれたといういきさつがある。
詳しくは「マンガの深読み、大人読み」夏目房之介・著/イースト・プレス を参照されたし。
私の最近での個人的見解はラスト場面の「燃えた、燃えつきたぜ」のジョーの台詞は、青春時代の決別、孤独での戦いとの別れだったように思ってます。この試合の後はパンチドランカー症状の治療もあるからボクサーは引退。梶原さんの案通り白木邸でのんびりと余生を送りつつ、時にはドヤ街にひょっこり顔をだしてたり。かつてドヤ街の人たちからもらった愛情を今度はジョーが返していくといった感じの物語もあったり…ひとつ大人になったジョーが日常を生きていく。明日という日は生きている限りどこまでも続いていく、んじゃないかと。
あらら。つい、語りだしてしまったよ。まぁ、こんな感じで観覧中も興奮しながら同行したSクンに「おお!この場面は~!」などとついいらぬ説明をはさんでしまう私でしたー反省www
この時代、後に団塊世代と呼ばれる人たちが若者と呼ばれてた時代。
学生紛争だったり、アートだったり、新宿であったり。アツイ時代でしたね。
最近アニソンイベント界隈でモラルやルールなどで騒がれているようだけど、この時代の連中に比べたらカワイイもんだよー。私ももう少し早く生まれたかったよ。
印象的な展示といえば2Fの片隅の部屋でぽつんと中央にサンドバックがぶらさげられてた部屋かな。暗室にされていてプロジェクターで壁に台詞文字や時にはジョーと力石の試合のアニメーション(シンプルな線画のもの)が再生されてたんだけどね。これは個人的には面白いと思ったんだけど展示の趣旨がわからない人も多かったようで、(部屋の入口からちょっとのぞいて次の展示場に移動しちゃう)もったいないなぁと思った。ココは部屋の中で腰をすえて壁に映し出される文字なり映像を見ていると…まるで自分が漫画の世界に入り込んだ感じがするんですよ。壁の文字を追っていきながらジョーであったり、力石の思考が入ってきたり。試合のラウンドが進むたびに観客のテンションもあがってワー!の文字も大きくなっていったりね。
途中のラウンドでお互いが両腕ブラリ戦法でにらみ合いが続くシーンでは(なにやってんだよー、オマエらのにらめっこ見にきたわけじゃないゾ!)とか言って野次をとばしつつリングに物を投げ込む…フリを私はしましたw 実際にサンドバックの周囲には座布団やジュース缶などがばら撒かれている演出の妙にニヤリとさせられました。
気がつけば2時間以上も滞在してしまった「あしたのジョー、の時代展」。思っていた以上に時代を体感できた展覧会で興味深かったし楽しかった。
もっと早くこの展覧会に気がついていれば会期中のイベントで「ちばてつや、あしたのジョーを語る」や声優・銀河万丈による読み語り(演目は最近マイブームの木枯し紋次郎!!)に参加したかったなぁ。
さて、展覧会の後は秋葉原へ移動。新しく改築されたラジオ会館に入ってみたよ。
キレイ!広い!店舗の好みは前の方が好きだったけど移り変わりの激しい土地柄ですからね。この先どうなることやら。S氏も造形物には詳しいのでゆっくりと時間をかけて店内を見て回ったら、あっという間に7時過ぎに!2時間以上いたのかな。結局は殆どラジ館めぐりで終わってしまったw
せっかくなので新しいラジ館のグッズなどを購入。そのままアキバ離脱と行く前にお土産を覗いたら我がヨメのお酒をS氏が発見!よ、余計なことをw こうなればお持ち帰りせねばなるまいって~♪

そしてヒロインの音無響子さんはヨメランキング1位、殿堂入りのキャラクターなのであります。
今年本作を見返したばかりなのでテンション上がりますわ~!
ちなみにこのお酒は小さいおちょこが付いているので欲しかったんですよw
まだ飲むのはお預けやん。今月の創作物を完成させたら飲もうっと☆
その後は大山へ移動して佐々木剛さんのお店で小一時間ほど飲食タイム。
Sクンは「バッタもん」Tシャツを購入。10/4には一文字隼人の誕生日会もあるそうです。私は同日、桃井はるこさんのイベントがあるので…。
帰り際になんとなく~、佐々木さんとお写真を撮らしてもらおうかなぁと思い立ち…(意外にや2年前の初来店の時しか撮っていなかったので)
変身ポーズ!

いつの間にか記念撮影用にいろいろと簡易コスプレアイテム一式が用意されていてワロタwww
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