町田市の町田市民文学館ことばらんどで開催中(3/21まで)の「山中 恒 展」に行ってきました。
山中 恒と言ってもその名からピンとくる人は少ないかもしれません。
が、アラフォー世代ならTVドラマ「あばれはっちゃく」シリーズの原作者と言えば「!?」と合点がいく方もいらっしゃるかな。または思春期の男女(の精神)が入れ替わるドタバタ劇の映画「転校生」の原作者としても知られております。

昨日の2/27は町田市民フォーラムで山中 恒氏と映画監督の大林宣彦氏を迎えての「トークショー&上映会」イベントがありました。
映画はもちろん山中 恒 原作、大林宣彦 監督作品から「あの、夏の日ーとんでろじいちゃん」でした。私は初見でしたがこの映画は尾道の市制100周年を記念して制作されたものとのことでした。



私は山中 恒 氏の児童文学作品が好きです。
私は幼い頃「あばれはっちゃく」を見て育った世代です。
20歳の頃に児童文学を学ぶ学校に通って、そこで改めて原作本を読み、山中作品に惚れ込みました。
彼の作品に登場する子供たちが実に「ビビット」な存在で素敵なんですよ。
「ビビット」とは鮮やかな、生き生きとした、躍動的な、とかいった意味です。
私の世代の子供時代には第二次ベビーブームということもあり、あの頃はまさにそういった子供たちがあふれかえっていたように思います。
今は少子化だったり、家庭用ゲーム機の普及など子供たちを取り囲む環境も様変わりして、一見すると大人しめな?大人の顔をした子供たちが増えたように思います。でも、心根は今も昔も子供という存在は変わらないのではないか。そうであってほしいなぁ~と私は常々思っておりますよ。大人になる、老け込むなんてのは放っておいてもいずれはそうなる…だから限られた時間を、子供時代を大いに謳歌してもらいたい、なんて願望がありますね。

私が山中氏を好きになった理由は作品に登場する「子供像」というのと別に、彼自身の生き様に惹かれたというものがあります。
正直なところ、日本の児童文学(一般的に他の文学や漫画もそうだった)は教育という権威が猛威を振るっておりました。最近はいくぶんかは和らいできてるのかな。
そんな中、山中氏は文学者として権威をふりかざす事に意義を唱え、自らも児童文学作家とは言わずに「児童読み物作家」などと名乗って、大衆の中に身をおいて創作活動に励んでおられました。
こういった姿勢の作家で思いだされるのは吉川英治氏や永井 豪氏。どちらも私の好きな作家です。トークショーの中で大林監督が同様の作家として手塚治虫氏の名も挙げられてました。
おそらく私自身、意識する、しないにしろ、そういったタイプの作家、アーティストに惹かれてしまう傾向があるのかもしれませんね。

話を戻します。
今回のイベントの報を知って、正直なにより驚いたのが同氏が存命だったことです。
私の中では子供の頃の好きだったドラマの原作者さんです。
私も今ではずいぶん年をとりました。
バリバリのオッサンなんです(苦笑)
だから!
同氏のトークショーがあると知った時は本当に目がテンになってたと思います。
お会いできる機会に恵まれて…幸せです。
ありがとうございました。感無量です!

右から山中 恒氏、私、大林宣彦監督。

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愛読書(「あばれはっちゃく」、転校生の原作「おれがあいつであいつがおれで」)にサインを入れていただきました。20年以上も前の本でボロボロですけどね~こうなったら墓まで持っていくとしましょうかw

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イベント後、文学館に移動して「山中 恒」展を観覧しました。

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貴重な資料がたくさん展示されてました。
「あばれはっちゃく」だけでもTVドラマ企画書から台本、堀江美都子さん歌唱の主題歌レコード、新聞で掲載されていた切り抜き、コミック本など。
この機会に是非、会場まで足を運んでみてはいかがでしょう~♪



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個人的にツボったのが山中氏が「知文圭」というペンネームで少女向けの作品を書いていたことでした~(講談社X文庫、小学館パレット文庫で出版されている)